ワーケーションは地方活性化につながるのか
ウィズコロナ時代の新しい働き方とされるワーケーション。
Work(働く)とVacation(休暇)を掛け合わせた言葉で、最近何かと耳にする機会が増えてきました。
環境省においては、令和2年度(補正予算)国立・国定公園への誘客の推進事業費及び国立・国定公園、温泉地でのワーケーションの推進事業費を活用し、国立・国定公園及び国民保養温泉地における誘客やワーケーションの推進の支援を通じて、新型コロナウイルスの流行の収束までの間の地域の雇用の維持・確保等に資することで、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けている地域経済の再活性化に向けた取組に対して支援を実施しています。
とあるように、政府もワーケーションの普及に力を入れているようです。
ただ、『地域経済の再活性化に向けた取組』という点が少し気になりました。
地域活性化ってなんだろう?といつも考えているのですが、私は人口を増やすことだと思っていて。
労働人口が増えれば町に税金がたくさん落ちるようになるので、質の高い行政サービスを受けられるようになりますよね。
例えば、兵庫県明石市のように第二子以降の保育料を無償にしたり、毎月オムツや子育て用品を自宅に届けてくれたりと、お金をそこまで気にせずに、安心して子どもを育てられる画期的な取組を行政が率先してするようになれば、働き盛りの子育て世代が町に移住しにくるでしょう。
そのように人口が増えていけば、多くの企業を誘致することができ、働く場所を確保することが可能となり、働く人が増えれば小売・飲食・娯楽などの生活関連サービスが充実します。
介護の人材不足や空き家問題も解消するでしょうし、結果として住みやすい・住んでみたい街に変貌していくと。
ですので、人口を増やすことが地域活性化に向けた専決事項であると考えているのですが、果たしてワーケーションを推進することが、活性化に本当に資するのかは疑問です。
確かに、都心に集まる企業の社員さんにとっては働く場所も時間にも縛られないワーケーションはいつもと違う環境に身を置けるので、新鮮だし刺激的だとは思います。
クリエイティブさに磨きがかかって、革新的なアイディアが生まれるかもしれないですし。
ただ、会社の所在地は変わらず都心部で、地方に拠点があるわけではないので、あくまでワーケーションに来られる方は地方に一時滞在するに過ぎず、住民票を移して腰を据えて住む移住者には到底なり得ません。
もちろん、ワーケーションをすることで地方に興味をもつ人が増えるきっかけにはなるかもしれませんが、それが地域経済の活性化に繋がると試算するのはあまりに楽観的すぎるのかなと。
現実的に移住希望者は『移住先に仕事はあるのか?あったとして家族を養えるほどの収入は得られるのか?』といった問題に頭を悩ませ、二の足を踏んでいる方がほとんどです。
ワーケーション人口を増やすことに力を入れることも大切かもしれませんが、その前に地方自治体への各種補助金の拡充を図るなど、やるべきことは沢山あるんじゃないかと個人的には思います。
と、国や町に頼ったり文句ばかり言ってもしょうがないので、私も草の根レベルではありますが北軽井沢についての情報を発信し、一人でも多くの方にこの地の魅力を知ってもらい、住んでみたいなと思ってもらえるように頑張っていきます!