ミニマリストになりたいならまずやるべきこと

必要以上にものを持たず、精神的に余裕のある豊かなライフスタイルを実現していくというミニマルな考え方を、一度は聞いたことがあると思います。
昨年東京で TINY HOUSE FESTIVAL が開かれ、一人で住むにせよ、家族で住むにせよ、必要最小限の広さしかないタイニーハウスをひと目見ようと、多くの人が来場されたようです。
上記のリンク先にも書いてありますが、『コロナ禍でのライフスタイルの変化により、暮らしの多様化が加速』しているのは紛れもない事実で、ひとつの場所に固定された生き方ではなく、身軽(気軽)に移動し、生活拠点を複数持つような、流動的な生き方が当たり前の時代になりつつあります。
ただ、ものを持たない暮らしをしようとして、むやみやたらに所有物を減らそうと行動することは間違いだと思っていて。
というのも、ミニマリズムの本質は、ものの数を減らすことで意思決定や行動にかかる時間を減らすことなので、アレもコレもと無分別にものを捨てたり、購入を控えたりするのは、本末転倒です。
例えば、車の購入(所有すること)はものを増やすことに違いありませんが、車があることで自分がどこかに行きたいタイミングで自由に行けるので、結果として時間やストレスを減らすことに繋がりますよね。
さらに、友人たちと遊びに行ったり、恋人とデートに行ったり、家族とフラッと旅行に出かけたりと、車があるからこそ、お金では買えない大切な思い出を作ることもできます。
なので、less is more の哲学を貫くのは素晴らしいことですが、ものを増やすことで生活の充実度や人生の幸福度が上がるのなら、それは存分に増やした方がいい。
時代や世論に流され、特に果たしたい目的もないまま「断捨離するぞ!」と息巻くのはだいぶ危険です。
アレもいらない、コレもいらないと、本当は自分にとって大切なものかもしれないのにゴミ箱に放り投げたり、本当は自分にとって必要なものかもしれないのに購入に二の足を踏んだりすると、真の意味での『豊か』なライフスタイルの実現は困難でしょう。
ものを減らす前にものを増やす
ものを持たないシンプルな暮らしをして心豊かな生活をしたいなら、まず溢れんばかりのものを持つことです。
そうでもしないと、自分にとって本当に必要なものかの判断ってつかないと思うんです。
色々なものに触れてみて、実際に所有しないとその有用性はわかりませんし、いくらミニマルな生活をしようといったって、何も所有しない生活なんてあり得ません。
すべては所有することから始まるわけです。
だから矛盾しているようですが、ものを減らす努力をする前に、ものを増やすという一見無駄にみえるアクションが実は大切で。
その状態になってから、自分にとって本当に必要なものか・大事なものか・大切なものかを判断し「無駄だな、要らないな」と感じれば捨てればいいし、自分以外の誰かだったら明らかに要らないだろと思うものでも、自分が「これは人生に必要不可欠だ」と思うのならばそのまま持っておけばいい。
最低限必要なものだけ・自分の好きなものだけに囲まれる、豊かでミニマルな生活って、そうやって形成されていくと思います。
いわゆるミニマリストが心豊かに人生を過ごしているのかと言われれば、NOの可能性だって大いにあるでしょうしね。
単純にお金がなくてものを持てない人かもしれませんし。
そんな人に「持ち物は少ない方がいい」とか「どんどん断捨離しなさい」と言われても、おいそれと従っちゃダメという話です。
一度きりしかない自分の人生ですから、考え方も生き方も自分の判断軸で決めていきたいものですね。