地産地消のシステムの早期構築が地方創生のカギとなる
自然豊かな環境の中で生活しているせいか、もっと北軽井沢という素晴らしい地域のことを多くの人に知ってもらいたいなという気持ちがあるんですが、同時に沢山の人に訪れてもらうことで今ある自然が壊されていくんじゃないかとも思っていて、ジレンマを抱えています。
というのも、SDGs という言葉の意味を知ったからなんですけどね。
SDGsは、Sustinable Development Goalsの頭文字をとったもので、日本語に訳すと持続可能な目標になるわけですが、これは、人の活動が自然環境を破壊することなくその活動を維持することを意味しています。
わかりやすく言うと、人は自然と共生していかなきゃダメだよということです。
より良い生活を求めて経済活動を推進していくのは大いに結構だけど、むやみやたらに森林を伐採したり、野生動物を絶滅に追いやったり、大量のゴミを不法投棄したりと、地球を痛めつけるようなアクションを取ることは止めましょうということですね。
環境問題を考えるとき、スケールが大きすぎてあまり身近な問題として捉えられないかも知れないですが、私は田舎に住んでいるのですぐそこに迫る危機として考える機会が多くあります。
例えば、全国どこの地方でも対応に追われる問題としては住民の高齢化が挙げられ、ここ北軽井沢でも同様です。
働き盛りの若い世代が都市部へ流れてしまい、地方に残るのが高齢者ばかりになってしまえば、人口過疎化は必至で、管理しきれない耕作放棄地が増え、古くなった住まいや誰も住んでいない空き家をどうするかといった問題も出てきます。
また、人口減により経済規模が縮小すればスーパーは経営を維持できなくなり閉店・撤退を余儀なくされるでしょう。
電車やバスなどの公共交通機関もそうですね。
利便性がどんどん悪くなっていけば、日常生活や文化の水準の低下は時間の問題と言えます。
持続可能なんて相当ハードルが高く、一体なにから手をつけていいのか頭を抱えている地方自治体が多いのではないでしょうか。
いずれにしろ、このような状態では今後何十年とサステナブルな暮らしをすることは不可能です。
ではどうすればいいのか。
自分達にできることからやっていくしかないのですが、一つの案として地産地消の仕組みをしっかり作ることが重要だと思っていて。
北軽井沢は高原野菜のメッカですから、それらをきちんと地域で消費する、または地域で加工し、日本や世界にPR・販売していくことを行っていけば、経済がまわり始め、関連産業も活性化するに違いありません。
ポイントは『日本や世界にPR・販売していく』ことです。
地域で消費しているだけだと、自分たちの地域で生産されたモノの良さはわかりませんからね。
なんでもそうですが、当たり前に存在する身の回りのものや環境に対して人は鈍感になるじゃないですか。魅力に気づかないというか。
だから、北軽井沢という狭い地域だけに情報を封鎖するのではなくて、もっともっと広い世界に向けて情報を発信すれば、初めて地元が資源豊富な地域であることが理解できると思うんですよね。
それに、北軽井沢は緑豊かな森がたくさんある自然豊かな地域で、日本人はもともとそのような自然を上手に活用し共に生きてきた歴史があるので、地産地消という仕組みを稼働させることは大事だと考えています。
自然と共生するというSDGsが掲げるメインテーゼも、地産地消を心掛ければ勝手に合致していくのはまさに一石二鳥。
目先のことだけでなく、5年後・10年後の生活を見据えて「こんな未来になったらいいな」を、地域のみなさんと力を合わせて実現できたら最高ですよね。
少しずつ前進できればと思います。