宝石箱のような生活を求めて

スイス生まれで近代建築の巨匠である、ル・コルビュジェが『家は生活の宝石箱でなくてはならない』という言葉を残しています。
宝石ではなく、宝石”箱”と表現する辺りが素晴らしく、名言だと思います。
目でみて、指で触れて、身に付けて、ただそれだけで気分が上がる宝石のように、家で過ごすとりとめの無い日常がキラキラと光り輝くものに変わったら、、なんて考えるだけで幸せな気持ちになりますよね。
きっと毎日をより深く愛せるようになるんじゃないでしょうか。
できるだけモノは持たないミニマルでシンプルな暮らしが、ここ数年注目されているのは、本当に必要かつ好きなものだけに囲まれる生活こそが幸せであるという価値観が、多くの人の共感を呼んでいるからだと思います。
見るだけでテンションが下がってしまったり、気分が盛り上がらないようなモノはなるべく持たない、買わない。
大抵そういうモノって安物が多いじゃないですか。
機能性が悪かったり、デザインがダサかったり、そしてすぐ壊れてしまうことがよくあるから結果的に無駄遣いが増える。安物買いの銭失いとはよく言ったものです。
反対に、少し値が張る高級品は、まず壊れにくいので長く使えますし、長く使えるから愛着が自然と湧いてきて、大事に丁寧に扱うようになる。
私は数年前にこのストウブ鍋を購入し、かれこれ五年以上使っていて、ちょっと年季入ってますが、まだまだ現役で日々の食卓を華やかに彩ってくれています。
普通の鍋の10倍以上の価格ですが、美味しい料理が手間なく作れるので、本当に買ってよかったなと思えます。
野菜を適当に切ってストウブ鍋に投入し、塩と胡椒をふりかけてあとは弱火でグツグツ煮込むだけで極上の野菜スープが出来ますし、牛モモ肉に軽く焼き目をつけて火を消し、蓋をして放っておくだけでローストビーフもできちゃいます。
似たような流れでチャーシューも簡単に作れますし、カレーやシチューを作れば本当に絶品です。
ストウブ鍋で料理を作ると、材料そのものの旨みっていうんですかね、例えば野菜で言えば甘い出汁のようなものがジンワリと出てきて、ものすごく美味しいんですよね。
しかも時短になるし、調理もほったらかしでいいので「こんな楽していいのかな」って常々思っていて。
素材本来の味を堪能できるという意味で、ストウブ鍋で料理をするという行為は、いわゆる丁寧な暮らしに通ずるものがあるのかなと感じています。
上の記事でも書きましたが『小さなことでもいいから丁寧な暮らしを意識し、実践』することが重要で、いきなり生活の全てを好きなものだけに囲まれる仕様に変えるのは、やっぱり難しいですよね。
だから少しずつ時間をかけて変えていく。
私の場合は普段から料理が好きで、口に入るものを作るわけだから少しでもこだわりたい(あと、できれば楽したい、可愛いデザインならなお良し)と思って、ストウブ鍋を買ったので、そこにはちゃんと購入に至った理由があるわけです。
自分なりのこだわりがあって、吟味して選んで買ったストウブ鍋なので、それはもう宝石のような価値のある代物で、いつ見てもワクワクするし、長く使いたいから丁寧に愛着をもって扱っています。
宝石箱と呼べる家を実現するにはまだまだ程遠いですが、好きなものに囲まれる生活が徐々に実現しつつあるのは、とても嬉しく思いますし、幸せなことなんだなと実感する今日この頃です。