田舎に逃げるという考え方
先日、北軽井沢へ移住してきた方たちと食事会をしてきまして。
食事会というよりも、それぞれが料理を持参するポットラックパーティー的なものですが、仕事やプライベートのことなど近況報告をしたり、地域のことを話したりと、みんなの考えや意見を聞くのが楽しいので不定期に開催しています。
気分転換にもなりますしね。
で、この日は『なんで田舎に移住してきたか?』という話で盛り上がり、移住してきた理由としては
- 田舎に憧れがあったから
- 一回住んでみたかったから
- 北軽井沢が気に入ったから
- 山や森が好きだから
とか、よくあるそれがほとんどだったんですが、参加者の一人が「都会から逃げたかったから」って言っていて、ものすごく正直でまっすぐな人だなと思ったんですよね。
逃げの移住
都会から逃げるために移住してきた、ってなかなか口に出しづらいものです。
なにかから『逃げる』という行為をする人は、責任感がない・人生なめてる・考え方が甘いとラベリングされますからね。
そして、伝える人を選ばないと、北軽井沢のような小さな田舎町ではウワサですぐに広まるもので、「アイツはすぐに逃げる」と、悪い評判なら様々な尾ひれ背びれがついて尚更早く回ってしまいます。
まぁそれはさておき『逃げる』ことは、頭ごなしに否定されるべきではないですよね。
通勤時の満員電車など大きなストレスを感じる場所は心地良いものではありませんから、その場から離れたいと思うのは当然のことですし、人と同じ生き物である動物は、身体に危険が及びそうと判断すればさっさと逃げるのは周知の事実で、なんら咎められることもありません。
逃げることで今抱えている悩みや不安が解消されれば万々歳ですし、常にコンフォートな環境にいれば、日々のパフォーマンスも改善され、人生を前向きに歩めるのでいいこと尽くめだなと思います。
なので、逃げるために移住してきたというのも真っ当な理由で。
というか、みんなそれらしいカッコイイ理由をつけて移住してきたんじゃなくて、本当は逃げたくて移住してきてるのかもしれません笑
それでもいいと思います。
もちろん、自分の理想とする暮らしを叶えるために北軽井沢に移住してきた、というなら素晴らしいことで最高ですよね。
別荘を購入し、定住・永住する予定の方には是非そうあって欲しいです。
ただ、全員がそんな理由で移住するわけもなく、『都会の忙しい生活に嫌気がさしたから、人が少なく自然豊かな田舎の環境で一度人生を見つめ直したい、そして飽きたらまた都会に戻ればいいや』という、なんとも中途半端な人間らしい理由で移住してきたっていいわけです。
それこそ逃げるための移住でも。
辛い現実から目を逸らしてどこか遠くへ行ってしまいたい、逃げてしまいたいと思うことって誰しもあると思います。
そんなときしっかりリアルと向き合い、なにか解決策を考えて実行できる人は立派でしょうけど、向き合えない人だっているはず。
じゃあ向き合えない人は、ダメ人間で人格的に否定されるべき存在なのかと言われれば、そうじゃありません。
生存本能として逃げたいと思っただけですからね。
「いざとなったらここから逃げて田舎に行けばいい」と、ある種のセーフティネットを自分の心の中に留めておくと、幾分気が和らぐんじゃないでしょうか。
逃げ場所としての田舎、悪くないと思います。