田舎暮らしの子供はかわいそう論

都会にあって田舎にないものは沢山あります。
公共交通機関はお世辞にも充実しているとは言えないし、飲食店の数も少なければ、医療機関の規模も違うし、働ける場所や業種・職種の選択肢も少ない。

そしてなにより異なるのは教育環境です。良い意味でも悪い意味でも都会のそれとは全く違ってきます。
田舎暮らしの人って選択肢が極端に少なくてかわいそうという意見がありますが、まぁ一理あると思いますw
ということは一緒に暮らす子どももかわいそうなんでしょうか?
今日はそのあたりの話をしていきたいと思います。
北軽井沢は子どもの数が少ない
都会と田舎の小中学校を比べると、まず児童・生徒数が違います。
2021年度の北軽井沢小学校の人数は下記の表の通り。
一年生 | 5人 |
二年生 | 9人 |
三年生 | 9人 |
四年生 | 11人 |
五年生 | 12人 |
六年生 | 12人 |
都内の公立小学校の一学級あたりの平均児童数がだいたい30人ですから、半分以下という数値になってます。
続いて中学校(北軽井沢近くの西中学校)をみていきます。
こちらも下記の表をご覧ください。
一年生 | 15人 |
二年生 | 28人 |
三年生 | 19人 |
小学校に比べれば若干生徒はいますが、それでも少ないと言えます(都内の公立中学校の一学級当たりの平均生徒数は約30人)。
ちなみに北軽井沢小学校は近隣の応桑小学校と令和6年4月に統合、西中学校は同じ町内にある東中学校と今年の4月に統合されます。
理由は言わずもがなですね。
子どもの数が減っており適切な教育環境が維持できないためです。
育ってきた環境の重要性
子どもの数が少ないと競争心が育たないし、友達も保育園からの延長で固定化されているため新しい人間関係を築きづらい。
スポーツにしろ学業にしろ、切磋琢磨して互いを高め合う相手がいた方が良いんですが、そのような環境にありませんし、社会性を上手く身につけられないが故に不登校になってしまう子たちも実際にいます。
もちろん児童・生徒数が少ないことがもたらすメリットだってありますよ。
先生が、子ども達一人一人に目を配ってきめ細かい指導をしてくれたり、地域の人たち全員で見守りながら育ててくれるので、みんなと家族のような温かい間柄でいられますし。
ただ、いつか社会に出て、広い世界で様々な人たちに触れたとき、人との付き合い方が上手に出来ないでいると社会的に孤立してしまう可能性がある。
また狭い世間で生活していると、近隣の人たちと争うことは気持ち的にどうしても憚られるもの。
そんな環境に慣れてしまうと、ときには相手と本気でぶつかり合って意見を言わなければいけないのに、自分を押し殺して相手に同調するようになってしまう。
子どもの頃に育った環境で培ってきた人間性や気質というのは、大人になってからもそのまま引き継がれますから、これでは色々と苦労してしまいます。
人間関係が上手く構築できず会社をやめてしまったり、いつも誰かのいうことを聞いてばかりで自分の意見が言えずストレスが溜まったりしたことが続けば、精神的にも参ってしまうでしょう。
このような状況にいる子ども達を『かわいそう』と思うのかは人それぞれです。
都会に住んでいれば、とりあえずは人の少なさからは解放されるとは思いますが、勉強勉強のプレッシャー地獄に陥るかもしれないですしね。
考えるべきは、子どもが社会に出たときのことです。
理不尽なことが多い社会、鬼が多い世間を上手に渡り歩くために小さい頃から身につけておくべき人間力はなんなのかを考えることで、答えが出ると思います。