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パーマカルチャーによる畑作りに必要なデザイン手法とは?日本施設も紹介

これからご自宅の庭や、新たに建てた別荘の空きスペースで畑を作り上げていく予定があり、デザインについて調べていた際に、パーマカルチャーという言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。

パーマカルチャーは畑を作る際に大切な概念のひとつです。

しかし、パーマカルチャーが何か知らない人も多いでしょう。

「パーマカルチャーとは何だろう」

「畑のデザイン手法が知りたい」

「デザインの資格は取れるのかな」

と畑を作る前には、いろいろと考えてしまうものです。

本記事ではパーマカルチャーの概念や、畑のデザイン手法を説明します。

最後まで読むと、パーマカルチャーの教えに沿った畑作りについて、理解を深められるでしょう。

パーマカルチャーとは?

パーマカルチャーとは自然循環の仕組みを参考にして、人と自然が共存し持続可能な社会や暮らしを作るためのデザイン手法を指します。

オーストラリアで1970年代に生まれた概念として知られています。

パーマカルチャーは、パーマネント(永続性)とアグリカルチャー(農業)もしくはカルチャー(文化)を掛け合わせた造語です。

パーマカルチャー には、地球への配慮・余剰物の共有・そして人への配慮という三つの考え方があり、それらをまとめた二つの原則があります。

原則が二つもあるなんて、おかしいかもしれませんがパーマカルチャーという概念がそもそも抽象的ですし、人によって様々な考え方があるという側面があります。

なので、パーマカルチャーの主流となる考え方を大まかにカテゴリー分けすると二つあるんだな、とそのような認識でいただければと思います。

話が逸れてしまいましたが、パーマカルチャー 創始者の一人であるビル・モリソンが提唱した10の原則は、シンプルで理解しやすい特徴があります。

一方、パーマカルチャーのもうひとりの提唱者であるデビッド・ホルムグレンは、12の原則を提唱しました。

どちらの原則を採用するかは、それぞれの状況や目的によって判断するとよいでしょう。もちろん好きな方を選んでもOKです。

10の原則 12の原則
つながりの良い配置 観察し相互作用する
多機能性 エネルギーを獲得して蓄える
エネルギー循環 収穫を得る
効果的なエネルギープランニング 自律とフィードバックを活用する
多様性 再生可能な資源やサービスの活用し尊重する
小規模集約システム ゴミを出さない
生物資源の活用 全体から細部までデザインする
エッジ効果 分離よりも統合する
重要機能のバックアップ ゆっくり小さな解決を活用する
自然の遷移を加速させる 多様性の活用し尊重する
接点を活用し辺境を尊重する
変化に対して創造的に活用して対応する

 

パーマカルチャー の考え方による畑のデザイン手法とは

パーマカルチャーの教えや理念を実践するためには、どのようなデザインで畑作りをすればよいのか悩んでしまうでしょう。

そこで、代表的な3つのデザイン手法を紹介しますので、畑作りの際に参考にしてみてください。

スパイラルハーブガーデン

パーマカルチャーの代表的なデザイン一つ目は、スパイラルハーブガーデンです。

石をスパイラル(らせん型)に積み上げた形状で、狭いスペースでも多くのハーブを育てるのに最適なデザイン手法が、スパイラルハーブガーデンです。

高さを利用した植物の配置で、畑を効果的に使えます。

スパイラル構造により上から下へ水が行き渡り、ハーブが均等に水分を吸収することが可能です。

また、土壌の保湿も促進されて、水の節約にもつながります。

さらに、スパイラル構造に植物を配置することで、見た目も楽しい空間を感じられるでしょう。

具体的には、上段にはローズマリーで中間スペースにはバジル、下段にはミントを植えると、異なるハーブがお互いに影響しながら成長し、香り高い畑を楽しめます。

スパイラルハーブガーデンは、手間をかけずに楽しい畑を作れる手法です。

高低差を利用して植物の多様性を高め、視覚的にも美しいデザインにできますしね。

自分の手で植物を育て、自然と調和する喜びを感じられるでしょう。

キーホールガーデン

パーマカルチャーの代表的なデザイン二つ目は、キーホールガーデンです。

円形の菜園の中央に、鍵穴の形をしたキーホールと呼ばれる作業スペースを設けて、円の内側や外側からの手が届きやすい環境が整えられる菜園がキーホールガーデンです。

家畜のふんや落ち葉など微生物が分解し発酵したものは、堆肥といいます

キーホールの横に堆肥を作るためのスペースを設置、食べ物の残りや草を入れると肥料を作りながら畑を育てることが可能です。

小さなキーホールガーデンは、水やりや収穫といった管理も簡単におこなえます。

キーホールの中央にトマトやピーマン、キャベツを植えて、隣には堆肥を入れておけば、美味しい野菜を楽しめるでしょう。

キーホールガーデンは手軽で楽しい畑作りの手法です。

あまり広くない庭のようなスペースでも、簡単に美味しい野菜を育てられますので、自然と一緒に生活する楽しさを感じてみてください。

スクエアフットガーデン

パーマカルチャーの代表的なデザイン三つ目は、スクエアフットガーデンです。

畑に人の手が届くサイズである約30cm四方の菜園を9つに区切り、異なる植物を栽培できるように工夫したデザイン手法がスクエアフットガーデンです。

9つの植物を作るため、木やブロックを使って正方形の枠を作り、別のスペースへ侵入できないようにします。

異なる植物同士がお互いに影響を与えて栄養を共有するので、土壌の健康が促進されて害虫の発生を抑制できるのが特徴です。

さらに、植物ごとの成長スピードや特性を考慮しやすく、初心者でも手軽に始められます。

例えば、1つのスクエアにトマトやレタス、バジル、ニンジンを植えると仮定しましょう。

トマトは高く育つので日陰にならないように区画の北側に、低く育つレタスやニンジンは南側に植えます。

バジルは害虫を寄せつけない効果があり、人参は土壌を健康に保ちます。

以上の手法で、すべての植物が十分な日光を受けられるでしょう。

スクエアフットガーデンは、少ないスペースでも効果的に多様な植物を栽培でき、持続可能な農業の一環として、誰でも気軽に始められる素晴らしい手法です。

パーマカルチャー・センター・ジャパンとは

パーマカルチャーのことを体系的に学びたいと考えたら、パーマカルチャーセンターへアクセスすることをおすすめします。

1996年に設立されたパーマカルチャー・センター・ジャパンは、日本で最初にパーマカルチャーを学べる施設で、神奈川県相模原市に建てられました。

2023年12月現在では東京や長野、石垣島や関西方面などにも、パーマカルチャーの関連施設があります。

関連施設にはデザインコースや実践コースの講座を開催しているところがあります。

日本国内で唯一パーマカルチャーデザイナーの資格取得が可能なのがデザインコースです。

デザインコースは自分の住む地域や、社会の課題を見つけて最適な解決策を考えます。

実践コースは水や土壌の管理、植物の種まきや育て方、家畜の飼育や収穫などを学びます。

しかし、時期により開催しているコースが異なりますので注意してください。

資格を取得するには、実際の農場やエコビレッジといわれる、自然と共生しながら持続可能な生活を目指す地域やコミュニティで、実践的な学習をおこなう必要があります。

パーマカルチャー・センター・ジャパンは、環境保全やまちづくりの推進にも貢献しているのが特徴です。

参考URL:パーマカルチャーセンタージャパン

まとめ

パーマカルチャーの考え方に基づいた、畑のデザイン手法を説明しました。

まとめると以下の通りです。

  • パーマカルチャーの考え方や原則
  • パーマカルチャーによる畑のデザイン手法
  • パーマカルチャー・センター・ジャパンについて

これから畑を作っていく予定がある人は、パーマカルチャーに基づいた考え方や原則を参考にして、取り入れてみてください。

畑が完成したあとには、人と自然が共存していくためのスペースを作り上げた達成感を体験できますので、ぜひ一度チャレンジしてみてくださいね。

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