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変わる住まいのカタチ

日経クロストレンドにリビングでブームの「ヌック」とは 調査で判明、住空間の新潮流という記事がありまして、ヌックってなんぞ?と思いついつい読んでしまいました。

ヌックとは、こじんまりとした居心地の良い空間を指しているそうです。

例えば、階段の下やリビングのちょっとしたスペースに椅子を置いて、いつでも座って本を読んだり、タブレットでNetflixが観れるような環境を作っておくと。

写真の方がわかりやすいですね。こんな感じです。

子供部屋や寝室とはまた違うパーソナルな空間を家の中に作ってしまう発想は、なかなか前衛的で面白いですよね。

上記のリンク先の記事によれば、『個室よりも家族で一緒に過ごすスペースを充実させたい』と答えた人は直近では30.3%と減少の一途を辿っているそうです。

夫婦や家族といえども私的な領域は侵されたくないものですから、ドアを隔てた各々の部屋の居心地の良さを追求するのはよく分かります。

令和は個の時代と言われてますから、世相を如実に表していることが窺えますね。

ですが、だとしたらなぜリビングという大勢が集まる場所にヌックなんて作るのでしょうか。

せっかくプライバシーが守られる個室があるのだから、そこで存分に想い想いの時間を寛げばいいのに、わざわざリビングに足を運ぶ理由はなんなのか?

そこには、誰かと繋がっていたいという無意識の感覚があるんだと思います。

現代社会はSNSが生活の一部になっていて、いつでも誰でもたくさんの情報に触れることができ、そして誰かとコミュニケーションを取ることができる。

人との繋がりが十分に感じられるはずですが、どこか物足りなかったり、寂しさがある。

インターネットを介してだと、あくまで『繋がってる感』が得られるだけなんですね。

なにか嬉しいことがあった、悲しいことがあった、そんな時に本気で喜んだり心配してくれるのは血の繋がった親であったり、兄弟だったりするものですし、そう願いたいもの。

もっとも身近な家族とどこかで繋がっていたい、ずっと良い関係を保っていたいという意識がどこかに潜んでいるからこそ、一つ屋根の下で過ごす空間の位置付けに変化が訪れてきているのかなと思うんですね。

リビングは家族と共に団欒する場所、寝室は寝る場所、自分の部屋は自分らしく過ごせる場所、そういった概念はもはや時代錯誤と言ってもいい。

リビングで勉強したってよくて仕事に励んでもいい。階段下や廊下で寝たっていいわけです。

家はもっと自由に設計していいということですね。

古い団地をリノベーションして希望のマイホームづくりをする方が増えていますが、とても素敵ですよね。

壁をぶち抜いて広いLDKを確保したり、天井の仕上げ材を撤去してコンクリートむき出しにするなど、型にハマらない柔軟な発想がこれからの時代には必要なのかもしれません。

家の概念は驚くほど変わってきています。

妥協することなく、思う存分わがままになって理想の住まいのカタチをぜひ実現させてくださいね。

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